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薪の乾燥、乾燥方法について
今回は薪のお話を。
良い薪の定義である『乾燥』や『乾燥方法』について深掘りしていきたいと思います。
某世界的有名薪ストーブメーカーのカタログには
『薪ストーブの性能の9割は薪の性能』
的なキャッチコピーがあるほどです。
乾燥期間は18ヶ月(1年半)以上で薪の含水率は15%以下のものが推奨とのこと。
中々ハードルが高いですよね。
LUMBERJACKでは乾燥薪の定義は内部含水率20%以下としています。
妥協しているわけではなく、樹種による違いなど、様々な要因で乾燥ムラは発生してしまうもの。
一般家庭においてどんな薪の積み方がベターなのか、またLUMBERJACKではどのようにして薪を乾燥させているのかをご紹介して、薪作りの参考にしていただければ幸いです。
まずは弊社での乾燥方法は以下の方法で行っています。
① 倉庫内でメッシュパレット(鉄製)に平積み(野積み)
②ハウス内にメッシュパレットで平積み、パレット上に平積み、井桁積み
③ 野外に井桁積み
④ 薪棚に平積み
ざっと大きくわけて4通りで乾燥させており、それぞれの乾燥方法別、また樹種別にも含水率のデータを拾い、管理しています。
10cm程度の細いものだろうが必ず割ります。割らない細薪は3〜4年は乾燥させないと水分が抜けません。
皮からはほとんど水分が抜けていきません。
割薪の含水率のデータをとった上で言わせてもらうと、ナラ系(コナラ、ミズナラ、カシワ、クヌギなど)は特に乾燥が遅い傾向がありました。
ナラはハウス以外で平積み、24ヶ月自然乾燥で20%を切らないものが中にはあったりします。
(ハウス乾燥は風通しさえ良くしていれば大体20%以下になりました)
ナラ以外の樹種であれば24ヶ月、一定の条件を満たした上で乾燥させると20%以下にすることができました。
では一定の条件とは何かを説明します。
一定の条件とは
① 平積み(野積み)の場合、縦に3列以上にしない
② 地面に直接置かない
③ 使う時期から6ヶ月前には屋根下(雨が当たらない)で保管
④ 皮を下にして積む
※上記写真は悪い例です。ハウス乾燥させてる薪ですが、平積みで縦に3列以上になっているため、特に真ん中に挟まれている薪の含水率が高い傾向にありました。
いくら光が当たり、温度が高くても風が通らないと乾燥は進まないということが実証されました。
薪の乾燥で重要になってくるのは『風が通っているかどうか』です。
スペースに余裕のあるお宅では、風の通りやすい井桁積み(縦横)が理想的です。
この時に地面には10cm前後の枝や角材を敷いて地面との隙間を作らなければなりません。
井桁積みは最も乾きやすい積み方ですがデメリットもあります。
まずは平積み(野積み)よりもスペースを使います。隙間が多い分、風が通って乾燥にはつながりますがその分嵩張ります。手間も時間もかかります😅
それと倒れやすい。
私も何度も倒してしまい、面倒な思いを沢山しました😇
そして一般家庭では最も多く、簡単な積み方が平積み(野積み)です。
木造のしっかりした薪棚のほか、安価で住むのが、弊社でも取り扱いのあるファイヤーサイドなどのスチール製ログラックや横幅を任意で変えられる2×4ログラックなどです。縦に2列にする場合でも、薪と薪の間は空けて上げるとより乾きやすくなります。
最近のログラックは作りもかなりしっかりしているので本当におすすめです。
LUMBERJACKショールーム内には屋根まで組んだ2×4ログラックを展示していますのでぜひ実物を見て確認して頂ければと思います。
検討してるよって方は2×4材にキシラデコールなどで塗装してから使うと木材がかなり長持ちしますのでおすすめです。
乾燥に話を戻します。
このような薪棚で壁付けせずに1年半以上乾燥させる事で、ようやく含水率は15〜20%以下になってくるわけです。
乾燥手順の理想としては、薪を割ったら井桁で積み(屋根はかける)、薪ストーブで使う年の春頃(梅雨入り前)に薪棚に収容す方法です。
手間と時間はかかりますがこの方法がより乾燥するやり方でしょう。
もしくは2×4ログラックなどの薪棚に初めから収容して1年半以上待つ。
これが一番楽です笑
乾燥だけを考えると井桁積みを1回挟んだ方が間違いないのですが、現実的には割ったらすぐ薪棚に入れる方が多いと思います。
この場合は2〜3年分の容量があれば積み直す手間もなくなりますので薪棚を検討している方は多めに容量を確保するというのを覚えておいてください。
かなり長くなってしまいました😅
雨ざらしの薪についても書きたかったんですが、長くなりそうなので気になる方は展示場に来て直接聞いてください笑
最後に一つだけ。
含水率の測定は薪を割って内部の数値を測るのが基本です。
表面や木口を測定している写真を載せている薪業者をたまに見かけますがそんな測り方をしたら低く出るに決まっています。
LUMBERJACKで言っている含水率とは全て内部の含水率の事です。
良い薪かどうか、乾燥しているかどうかは薪を販売する業者によってかなりクオリティーに差がありますので注意してください。
『薪ストーブの性能の9割は薪の性能』です。
乾燥が甘い薪は、燃焼しないこともないですが、先に水分が蒸発することにより薪が持つカロリーを奪われる(煙が多い)ため、暖かくなりづらいです。
掘り下げるとキリがないのでこの辺でやめておきますね😅
機会があれば雨ざらしの薪についてやら水分が高いと薪ストーブ本体や煙突に与える影響なども書いてみたいと思います。
長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた❗️