ブログ
キンクラと焚き付けについて
今日はキンクラと焚き付けのお話を
薪ストーブユーザーで焚き付けを使用して着火している方も多いと思います。
今回は焚き付けについて深掘りしてみたいと思います。
当店では焚き付けは主に『杉』を使います。
長さは20〜30cm程度が使いやすいサイズだと思います。
それを細かく割っていくのですが、その時便利なのが
ファイヤーサイドで出している『キンドリングクラッカー』、通称キンクラです。
なんでもニュージーランドの少女が発明したそうです。
この商品はハンマーで薪を叩いて割るため、とても安全に、かつスピーディに作業ができます。
子供でも薪割り可能な、優秀な道具です。
当店にデモ機があるので試し割り可能です‼️
少しカスタムしました。
文字を白ペンで塗っただけですが。笑
現在は使い込みすぎて白い所はだいぶ取れてきています😅
キャンプの時に薪割りとしてはもちろんながら、熱々のプライパン置きとしても使用できるため重宝しています。
最近は、社外でキンクラの上の丸い所にハマる木の板がリリースされており、テーブルとしての利用もされています。
工夫されて色々な使い方がありますね。
焚き付けの話に戻します。
薪ストーブで着火する際、焚き付けがあるとファイヤースターター1個で着火可能です。
ファイヤースターター 100個入り(1980円税込)
また広葉樹の隙間に焚き付けを入れて隙間を作り、温度調整もできます。
焚き付けを作らない薪ストーブユーザーも沢山いらっしゃると思いますし、当のワタクシも使わない年もありました。
ですが、あると絶対便利です。
薪割りについて
今日は薪割りのお話しを
3月も後半になり、ここ秋田県(北東北)ではこれからの時期が薪割りシーズンになってきます。
薪割りをこれからする人や割りにくい木がある場合の参考にして頂ければ幸いです。
一番大事なのは怪我をしないこと
では薪割りでする怪我とは。
大きく分けると3つあると思います。
① 斧で足を切る
② 割った薪のささくれが手に刺さる
③ 斧のヘッド(刃)がとんで第3者が怪我をする
① についての対策ですが、まずはサンダル等でやらず、ブーツなどを履きましょう。指先を守る、先端が頑丈なものが適しています。安全靴ならばなお良いと思います。
あとは適正な大きさの薪割り台を準備してください。30〜40cmの高さくらいでいいと思います。
薪割り台を使うことで刃こぼれを防げるばかりでなく、腰への負担も減らせます。
そしてインパクトの瞬間に少し膝を曲げる。これがポイントです。
膝を曲げることでミスヒットしても自分の足に刃が来るのを防ぐことができます。
膝を曲げずに割った場合、斧は肩を軸にして円の軌道で足に当たります。
膝を曲げることで足に当たる前に地面に当たるので安全という理屈です。
文章にすると少し分かりづらいですが、薪割り時に膝を曲げるのは安全面でとても大事なことです。
また副産物として、薪を割るパワーが上がります‼️
振り下ろすスピードにプラスして膝を曲げることでヘッドスピードが乗り、体重も加わるからだと思います。
皆さん、薪割りでは膝を曲げるを徹底しましょう❗️
② についての対策は皆さんすでにお分かりの通りグローブを嵌める事です。
薪割りをずっとしていると、手の皮が剥けてきます。ささくれが刺さるのと手のひらを保護する意味で必ず着用しましょう。
ファイヤーサイドでウッズマングローブという商品をリリースしていますが、それも良さそうです、薪割りの時によく穴が空く部分は生地を重ねて補強されてあります。
そして私が長年使用しているのはコチラ↓
ワークマンやホームセンターに売っている、ショーワグローブ製のゴム手袋です。背抜きになっていて通気性もいいし、穴も空きづらく、コスパも良いです。
③ についての対策は、薪割りをする前に斧の点検をしてグラつき、ガタつきが無い確認してください。
薪割り中にヘッドがすっぽ抜けて第3者が怪我、または何かに飛んでいって壊れる可能性もあります。
自分で対応できなそうな場合は当店にに持ってきてもらえれば応急処置いたします。
割りにくい木への対応についても少し書きたいと思います。
通常、斧で割れない材(大きい材、ねじれがある材、節がある材)に対しては楔(クサビ)を使用します。
女性やお子さんなど力がない方にもおすすめなのがクサビです
使い方はこんな感じで。
楔(クサビ)は2本1組での使用が鉄則です。
ファイヤーサイド製のものがコスパも良くおすすめです。当店ではねじりクサビを在庫しております。
最後に薪割りの裏技をお教えしたいと思います。
どうしても割れない薪に使える方法ですが、チェンソーを持っていないとこれはできません。
画像のようにチェンソーで縦に切れ目を入れます。
切れ目の深さは薪にもよりますが浅くても十分効果があります。
そうすると斧で切れ目を目掛けて割ると簡単に割れます。
今回も長くなってしまいました😅次回はキンクラについて書きたいと思います。
薪の乾燥、乾燥方法について
今回は薪のお話を。
良い薪の定義である『乾燥』や『乾燥方法』について深掘りしていきたいと思います。
某世界的有名薪ストーブメーカーのカタログには
『薪ストーブの性能の9割は薪の性能』
的なキャッチコピーがあるほどです。
乾燥期間は18ヶ月(1年半)以上で薪の含水率は15%以下のものが推奨とのこと。
中々ハードルが高いですよね。
LUMBERJACKでは乾燥薪の定義は内部含水率20%以下としています。
妥協しているわけではなく、樹種による違いなど、様々な要因で乾燥ムラは発生してしまうもの。
一般家庭においてどんな薪の積み方がベターなのか、またLUMBERJACKではどのようにして薪を乾燥させているのかをご紹介して、薪作りの参考にしていただければ幸いです。
まずは弊社での乾燥方法は以下の方法で行っています。
① 倉庫内でメッシュパレット(鉄製)に平積み(野積み)
②ハウス内にメッシュパレットで平積み、パレット上に平積み、井桁積み
③ 野外に井桁積み
④ 薪棚に平積み
ざっと大きくわけて4通りで乾燥させており、それぞれの乾燥方法別、また樹種別にも含水率のデータを拾い、管理しています。
10cm程度の細いものだろうが必ず割ります。割らない細薪は3〜4年は乾燥させないと水分が抜けません。
皮からはほとんど水分が抜けていきません。
割薪の含水率のデータをとった上で言わせてもらうと、ナラ系(コナラ、ミズナラ、カシワ、クヌギなど)は特に乾燥が遅い傾向がありました。
ナラはハウス以外で平積み、24ヶ月自然乾燥で20%を切らないものが中にはあったりします。
(ハウス乾燥は風通しさえ良くしていれば大体20%以下になりました)
ナラ以外の樹種であれば24ヶ月、一定の条件を満たした上で乾燥させると20%以下にすることができました。
では一定の条件とは何かを説明します。
一定の条件とは
① 平積み(野積み)の場合、縦に3列以上にしない
② 地面に直接置かない
③ 使う時期から6ヶ月前には屋根下(雨が当たらない)で保管
④ 皮を下にして積む
※上記写真は悪い例です。ハウス乾燥させてる薪ですが、平積みで縦に3列以上になっているため、特に真ん中に挟まれている薪の含水率が高い傾向にありました。
いくら光が当たり、温度が高くても風が通らないと乾燥は進まないということが実証されました。
薪の乾燥で重要になってくるのは『風が通っているかどうか』です。
スペースに余裕のあるお宅では、風の通りやすい井桁積み(縦横)が理想的です。
この時に地面には10cm前後の枝や角材を敷いて地面との隙間を作らなければなりません。
井桁積みは最も乾きやすい積み方ですがデメリットもあります。
まずは平積み(野積み)よりもスペースを使います。隙間が多い分、風が通って乾燥にはつながりますがその分嵩張ります。手間も時間もかかります😅
それと倒れやすい。
私も何度も倒してしまい、面倒な思いを沢山しました😇
そして一般家庭では最も多く、簡単な積み方が平積み(野積み)です。
木造のしっかりした薪棚のほか、安価で住むのが、弊社でも取り扱いのあるファイヤーサイドなどのスチール製ログラックや横幅を任意で変えられる2×4ログラックなどです。縦に2列にする場合でも、薪と薪の間は空けて上げるとより乾きやすくなります。
最近のログラックは作りもかなりしっかりしているので本当におすすめです。
LUMBERJACKショールーム内には屋根まで組んだ2×4ログラックを展示していますのでぜひ実物を見て確認して頂ければと思います。
検討してるよって方は2×4材にキシラデコールなどで塗装してから使うと木材がかなり長持ちしますのでおすすめです。
乾燥に話を戻します。
このような薪棚で壁付けせずに1年半以上乾燥させる事で、ようやく含水率は15〜20%以下になってくるわけです。
乾燥手順の理想としては、薪を割ったら井桁で積み(屋根はかける)、薪ストーブで使う年の春頃(梅雨入り前)に薪棚に収容す方法です。
手間と時間はかかりますがこの方法がより乾燥するやり方でしょう。
もしくは2×4ログラックなどの薪棚に初めから収容して1年半以上待つ。
これが一番楽です笑
乾燥だけを考えると井桁積みを1回挟んだ方が間違いないのですが、現実的には割ったらすぐ薪棚に入れる方が多いと思います。
この場合は2〜3年分の容量があれば積み直す手間もなくなりますので薪棚を検討している方は多めに容量を確保するというのを覚えておいてください。
かなり長くなってしまいました😅
雨ざらしの薪についても書きたかったんですが、長くなりそうなので気になる方は展示場に来て直接聞いてください笑
最後に一つだけ。
含水率の測定は薪を割って内部の数値を測るのが基本です。
表面や木口を測定している写真を載せている薪業者をたまに見かけますがそんな測り方をしたら低く出るに決まっています。
LUMBERJACKで言っている含水率とは全て内部の含水率の事です。
良い薪かどうか、乾燥しているかどうかは薪を販売する業者によってかなりクオリティーに差がありますので注意してください。
『薪ストーブの性能の9割は薪の性能』です。
乾燥が甘い薪は、燃焼しないこともないですが、先に水分が蒸発することにより薪が持つカロリーを奪われる(煙が多い)ため、暖かくなりづらいです。
掘り下げるとキリがないのでこの辺でやめておきますね😅
機会があれば雨ざらしの薪についてやら水分が高いと薪ストーブ本体や煙突に与える影響なども書いてみたいと思います。
長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた❗️
STIHL MS170 について
今回もチェンソーの話です
以前の記事で初心者におすすめのチェンソー第2位としてSTIHL MS170を紹介しました。
前回の記事はコチラ https://r.goope.jp/lumberjack-stove/diary/96884
今回はMS170を深掘りしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
おすすめ理由としてはまず第一にそのコスパ。
値上がりしたとは言え、現在でも3万円を切るその価格は同価格帯のホームセンターチェンソーでは太刀打ち出来ない耐久性と性能を持っています。(ワタクシが買った当時で2万円を切る位でした)
他社同価格帯の「ソーチェーン」がほとんどの機種で25APを採用しているのに対し、MS170はSTIHLオリジナルの1.1mm幅の細いソーチェーンが採用されており、この影響もあってカットスピードが他より早いです。(他社同価格帯、同排気量帯)
そしてこれから説明する内容がおすすめの1位にならなかった理由になります。
それは
「振動が大きいから」です。
おすすめなのは「コスパが良い」という理由でしたが、そのため設計が古く、防振材はゴムが採用されています。
プロ機や設計の新しいものはスプリング防振になっています。
ここ秋田県鹿角市での薪ストーブユーザーが消費する薪の量は年間8㎥と言われています。
その全量をMS170で作るとなるとワタクシのように振動障害になる可能性があると思います😅(ひどい時は上着のファスナーも上げられない程ひじが痛みました😭)
中には太い広葉樹もあるでしょう。
直径40〜60cmの物なら玉切できないことはないのですが、切るのにかなり時間がかかる上、切ってる時間分その振動に晒されることになります。
樋口金物機工さんのYouTubeでそこら辺はかなり詳しく、分かりやすくお話されていますので是非みて頂ければと思います。
年間8㎥程度の薪を作るならば、私は絶対にスプリング防振のプロ機をおすすめします‼️
振動の問題以外にも、仕事時間も圧倒的に早いです‼️伐倒も安全にできます。
話が逸れましたので戻します。
逆に少ししか薪を作らない方や、玉切りもそんなにしない方、太い原木を切らない方はMS170がベターな選択肢かと思います。
何度も言いますが同価格帯、同排気量帯の機種ではこのMS170には敵わないと私は思います。
また、STIHLには MS170C–Eという機種があります。
これはスターターロープが引きやすいモデルで、力の無い方はコチラでも良いかと思います。少し重くなりますが😇
あとMS180というMS170をボアアップ(排気量アップ)したモデルもあり、これの派生モデルとしてMS180C–BEというのがありますが、これのウリはクイックテンショナーと言ってソーチェーンの調整が工具要らずで出来るという物。
このシステムは賛否両論あると思いますが、私には非常に使いづらい機能でした。
ガイドバーは給油4回に1回は裏組みして使う(同じ所だけガイドバーが減るのを防ぐ為)のですが、その時にクイックテンショナー機は時間が掛かって面倒なんです。(個人的な意見です)
給油4回があっという間でない人には良いかもしれません…
MS170は余計な機能が無いためその点は大丈夫です笑
ただ1点。
MS170の一番使いづらい所は、ソーチェーンの張り調整がガイドバーの根本にあるところでした。(もしかすれば現行のMS170はサイド調整になってるかも)
私のMS170はMS180の純正品を流用してサイド調整にカスタムして使っていました。
カスタムすると愛着が増します😁※カスタムは自己責任にて
このように、チェンソー選びは「どう使うか」がポイントです。
最初の1台はコスパの良いMS170にして、方向性が決まってからプロ機に行っても良いと思います。
少しでも迷われている方の参考になれば幸いです。
煙突について
薪ストーブは煙突が重要です。
煙突はただ煙を排出するためのものではなく、ストーブの性能や安全性を左右する重要なものです。薪ストーブが正常に、安全に使用できるかどうかは煙突にかかっているといっても過言ではありません。
適切なドラフト効果により薪ストーブは本来の性能を発揮します。
そのことから、薪ストーブを使用するうえで、ドラフトを起こすことが最も重要と言えます。
ドラフト(上昇気流)とは、暖かい空気が軽い性質から空気が上昇していくことで起きる現象です。
煙突内外の温度差が大きいほど強いドラフトが発生します。そのため、煙突内の温度を高温に保つことで効率良くドラフトを発生させることが出来ます。
煙突は車で言う所のエンジンの役割を担っています。
いくら大型で熱量の高い薪ストーブを使っても煙突のドラフトが弱いと、そのストーブの性能を十分に発揮させることは出来ません。
車に例えると、ボディが大型車でエンジンは軽自動車と同じような理屈ですかね。
煙突のドラフトが良いとその分ストーブ内に空気も吸うわけですから、車のエンジン(排気量)と考え方が似ていますよね。
また、煙突から排煙される温度もとても重要になってきます。
煙の温度が149℃以下になると、煙突内に煤やタールが蓄積されてしまいます。
そのため煙突は「断熱二重煙突」を使用します。煙突が二重になっていて、煙突と煙突の間に断熱材が入っているため、外気温の影響を受けず、高温のまま煙を屋外に排出。強いドラフトを維持できます。
高温のまま煙を排出する事で、タールや煤が付着しにくくなります。(薪の含水率や空気を搾る量も影響する)
シングル煙突に比べてどうしても価格が高価になってしまう断熱二重煙突ですが、上記の理由でストーブの性能を引き出し、安心安全で使用する為に欠かせない薪ストーブの要です。
ランバージャックが取扱う煙突は国産の高品質な物をご提案しています。
煙突のことについては、かなり深いのでまた次の機会に掘り下げてみたいと思います。